マンモグラフィとは、乳房専用のX線撮影のことです。乳房をできるだけ引き出して、圧迫版という薄い板で乳房を挟み、圧し広げて撮影します。そのために多少の痛みを伴うこともありますが、圧し広げることで診断しやすい写真が撮影でき、かつ被爆量も減らすことができます。
乳房全体をくまなく写し出すために、乳房に対して複数の方向(MLO:内外斜位方向とCC:頭尾方向)から圧迫し撮影を行います。
乳房を薄く伸ばすことで乳腺が広がり、腫瘤性の病変がより鮮明に観察可能となります。またマンモグラフィでは、乳房を触っても、しこりがわからないようなタイプの乳がんも、白い点のように見える微細石灰化病変として見つけることができます。マンモグラフィは、特にこの石灰化を見つけることに有用な検査です。
ただし、妊娠中あるいは授乳中の方は適しませんので検査前に必ず申し出てください。
圧迫する理由
- 腫瘤と正常な乳腺の重なりが少なくなるため、がんが見つけやすくなります。
- 乳房全体が均一に広がるため、ムラがなく見やすい画像が得られます。
- ボケが少なく、鮮明な画像が得られます。
- 身体や呼吸による動きを防止できます。
- 被ばくがより抑えられます。
被ばくによる危険は?
- 乳房だけにX線を当てるので被ばく量は非常に少なく身体への悪影響はほとんどありません。
- 1回の撮影で乳房が受ける被ばく量は、東京からニューヨークへ行くときに飛行機内で浴びる自然放射線量のほぼ半分であると言われています。
撮影のペースは?
- 1年に1回のペースで十分です。
マンモグラフィ検査だけで大丈夫?
- 乳腺が発達した若い人の乳房では全体が白っぽく映るので、しこりが発見しにくくなります。
- 乳がんの危険年齢である30歳代~40歳代の人は、超音波検査を併用したより確実な検診をお勧めします。